2013年4月8日月曜日

美容院の新人教育の話を聞いたらとてもしっかりしていた。

ここ1年くらい通っている美容院があって、そこの美容師さんとなぜだか新人育成の話になった。

『メガネさんはえりあしの位置が高いですね~。こういう人の方がシャンプーがしやすいんですけど、ぼくもえりあしが高くて、だからこの時期はいつも新人くんたちのシャンプーの練習台になるんですよ。試験をパスしないといけないんで。』

という会話からだったと思う。
元々美容師業界というのは色々と気になっていたので、これを機に色々と聞いてみた。

すべての美容院がそうなのかは分からないけれど、美容師として一人前になるためにはたくさんの試験に合格しなければならないらしい。どれくらいあるかというと本当にたくさんで、シャンプー、マッサージ、ブロー、カラー塗布などなど、美容師さんにやってもらうサービスのほぼほぼ全てに試験があるようだった。ブローやシャンプーにまで試験があるとは驚きだったけれど、みんな営業時間後か営業時間前に練習しているのだそうだ。

『試験に合格すればするほど、現場に出られますからね。やる気にはなりますよね。カットは一番最後です。』

試験に合格していない初めの頃は、ビラ配りをしたり、室内の髪の毛を掃除したり、電話対応したり、そういうことらしい。

『メガネさんが初めてうちに来てくれた時にビラまいていたAも、今ではいっちょ前に新人に「おい、あれやったのか?」とか言ってますよ(笑』

ぼくの通っているお店の営業は一応20時までなのだけど、お客さんがいたら閉めるわけにもいかず、なんだかんだ21時くらいに営業終了になることが多いらしい。新人のみなさんはここから練習に入る。

『ちょっと前までは夜すごく遅くまで練習していたんです。だけどだんだん遅刻が目立つようになってきて・・・。だから夜は22時までで終了という社長命令がでました。その代わり朝ならいくらでも早く来てやっていいぞって。』

『ただ、練習って言っても結局一人でやらせるわけにもいかないんで、絶対ぼくらが見てるんですよ。だから僕らも朝早く起きなきゃいけなくて、大変です(笑』

『さっき言ったとおりぼくはシャンプーの練習台によく指名されるんですけど、もう眠いとシャンプー中に寝ちゃいそうになるんですよ。でも寝ちゃうとタッチの仕方とか流し方とか、細かいところに全然気付かないので、頑張って起きてなきゃいけないんですよね。』

ココらへんでぼくのカットが終わってしまったのでお話は終了。だけど新人の教育の様子が分かってとても楽しい1時間だった。美容院の教育制度がこんなに整っているとは、という驚きも大きかった。一つ一つクリアしてくことが設けられている状態、というのは最低限一人前になるためのスキルを習得させるにはとてもよい環境だと思う。自分で考えてやりくりする経験は、一人前になって一人でお客さんを担当できるようになってからでよいと思うし。

かつ、上の美容師さんたちが新人のために時間を作ってあげている、というのも素敵だなと。もちろん、毎年睡眠時間を削って新人を教育しなければならない構造は変える必要があるとは思うけれど、新人が放置され続けて育たず、上がずっと現場にい続けなければならない状態よりは、良い状態だろう。