少し前に見たTED動画で面白いものがあったのでご紹介。
●Break the bias: Hideshi Hamaguchi at TEDxPortland 2012
スピーカーは、デザインコンサルティング会社ZIBAの戦略ディレクター・濱口秀司さん。
最近デザイン思考の定義と不確実性という題で、Enterprisezine ビズジェネにインタビュー記事の連載が掲載されています。
このプレゼンでは、イノベーションを興すための思考法が説明されています。言うは易く行うは難しなのはもちろんなのですが、その中からぼくが共感した考え方を2つ挙げたいと思います。
●RE-CHART
冒頭から濱口さんは"Re-chart"という考え方をお話されます。
自分たちの領域が四角形として与えられた時、その中で動きつつ、新しい方向性を与えることで、コントローラブルだけどイノベーティブなものを生み出す、ということだと思います。
●Shake The Chart
物事にはScopeとObjectiveとPerspectivesがあり、それぞれを動かしてみることで見える景色が変わるという話です。
例えばScope。
広いScopeで見てみたら大きな山だと思っていたものが、狭いScopeで見ると川の上でボートに乗っている人がいることがわかり、最後に中間くらいの広さにScopeを変えてみたら、なんとそのボートは滝に差し掛かるところまで来ていてることがわかった、という喩え話が紹介されています。
物事を考えるときに、「今常識として考えられているルール=スコープからいかに抜けだして思考するか」というのが大事なのではないかと最近思っています。ぼくは「枠外思考」と呼んでいるのだけれど。
で、その枠はこのプレゼンでいうならバイアスとして最初与えられているもので、それをスコープをずらしたり、大きさを変えてみたり、そういう思考法をしていかないと新しい価値は生み出せないだろうなという感じです。
自分自身、調査をして分析作業をメンバーとしていても、調査の段階で感じたことがいつの間にか枠として固まってしまって、自然とその枠の外に漏れたことの印象が薄くなってしまったり、その枠の中に収めようとしたり、その方向性=パースペクティブを固定化してしまっていたり、することがあります。
でもそれは本当は危険なことで、そこに「枠」があることをしっかりと認識しておかないと、誤った解釈をしてしまうのではないかと。
この枠を動かす考え方は、論理的にもできるし、逆にアイデアオリエンテッドでもできることで、日頃からそういう癖をつけていくしかないのかなと考えています。
たとえば、「1トンの肉があったらどんな焼肉するか?」とか。このときに「焼肉」というと「食べる」ことをセットで想定してしまうけど、「食べない焼肉」だってあるかもしれないですよね。
「宝くじで1億円あたったらどうする?」という問があったとしたら、「使う」ことが前提にあるかもしれないけど、たとえば「返金する」とかもあるかもしれないです。
これは冒頭のチャートの話でいえば、アンコントローラブルなOFF-CHARTの話になってしまいますが、そういうリフレームしていくことっていうのは、非常に大事になってくるだろうなと思います。
(数ヶ月前に同じようなことを現実の枠の外から考えるという記事でも書いていました。)
リフレームという単語繋がりで行くと、コプロシステムの棚橋さんが「なぜ?」を問うことでリフレーミングするのがエスノグラフィーの極意という記事を書かれていますね。
デザイン思考とイノベーションがセットで語られる事が多いのは、人間中心というだけでなく、その人間中心の発想から既存の枠から抜け出すことが行われているからなのかもしれません。
そんなことを考えながら、まずは小さくてもいいので会社でイノベーションを起こせたらいいな、と日々頭を悩ませています。
「意識高い系」にならないように、こういった座学から現実のアクションを起こせるよう、少しずつ動き出したいところです。



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